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まとめ知財戦略日本語
※注意書き
ファンディングの機会があったときに,事業を説明する資料のテンプレに
知財戦略を書け ・ ・
といった欄があったから,「知財戦略??」となったときに色々調べたものをまとめています.
知財戦略とは
「いかに頭脳を競争力化・資源化するか」というのが知財戦略である.
具体的には以下の3つのキーポイントがある.
知財の調査
特許やその他の知財を調査する目的は
- 自社の事業に活かすことのできる有益な情報を入手する
- 自社にとって障害となる可能性のある特許の存在を把握する
ことである.特許調査を行うにはPatentscoreなどの特許検索システムを用いて自ら検索したり,専門家に依頼することで行うことができる.
知財の保護
多くの企業は自社製品の独自性や,競合を許さないために市場への参入障壁を高く保つことを目的として権利を活用する.
失敗ストーリー
ある証券会社はユーザーから直接外国株の売買を可能にする画期的なシステムを独自開発した.しかし,このサービスを市場投入すると,特許取得していなかったため,競合に追随されてしまった.結果的にこの市場スタンダードになってしまい,独自性が失われて倒産に追い込まれた.
失敗ストーリー
特許によって防げない模倣も存在する.ある製造会社は特許を取得したものの,主要製品を大手企業に模倣され,訴えたものの十分な対価は得られなかった.特許出願により,製造特許明細が公表されるため,技術の利権かと秘匿化を選ぶ慎重な判断が必要である.
知財のマネタイズ
保護した知財を活用することで事業利益を得ることが本来のマネタイズ方法である.しかし,他にも
- 知財ライセンシング・・・技術・ブランド力の使用を許可する対価に使用料金を徴収
- 知財譲渡・・・知財の所有権の売却
- 知財ファイナンス・・・知財に担保設定して融資を引き出す
知財・・・知的財産は特許庁での審査を経てから権利となる,特許権・意匠権・商標権のことを指す.特許権の存続期間は登録から20年である.
知財戦略の例
以下に国内・海外ベンチャー企業における知財戦略の事例をまとめた.大体が自社の独自技術を保護や,大企業から信頼を得る形の知財戦略を取っている.
より詳しくはこのサイトで👉一歩先行く国内外ベンチャー企業の知的財産戦略事例集
会社名 | 製品・サービス | 知財戦略 |
---|---|---|
株式会社カブク | ・オンデマンド製造
・受発注管理SaaS | ・AI/IoTで幅広く特許取得
・大企業との連携のトリガーに活用
・同社に近しい事業を展開する企業の印象低下 |
株式会社One Tap BUY | ・小口株式購入アプリ
・株の積立購入アプリ | ・多数の特許を取得し,類似アプリについでの強固な参入障壁を形成
・社長は特許未所得による他社の追随を経験 |
セブン・ドリーマーズ株式会社 | ・オーダーメイドカーボンゴルフシャフト
・一般医療機器
・AIクローゼット | ・特許で知財の侵害を暴けるものは利権化する
・暴けないものは秘匿化
・重要な技術は海外への特許も申請 |
ディジタルメディアプロフェッショナル | ・グラフィックスIPコア
・LSIの開発・販売 | ・特許報酬制度
・IPラインセンシング
|
FLOSFIA | ・パワーデバイスの開発
・独自成膜技術の提供 | ・パテントマップ・ポートフォリオの作成.200件を超える特許を出願
・強い特許ポートフォリオによる技術の独占
|
Spiber株式会社 | ・人工タンパク質素材 | ・要素技術が生まれれくるので,で出願の順番含め,知的戦略を整理する必要に迫られ,利権化 |
👇「知財戦略とはなにか〜発明研究所のすすめ」
知財戦略の立て方
Key Questions
- 当該分野のファンダメンタルな技術は誰が所有しているのか?
- 当該分野で特許を出願したり購入したりしている主要な組織?
- その組織は何に取り組んでいるのか?
- 当該分野では、どのくらいのスピードで新しい技術革新が行われているのか?
- 当該分野では、戦略的な成長、投資、ライセンシングの機会はどこにあるか?
- 当該分野で開発されている新技術や新技術はどこにあるか?
- 貴社の製品にとって最も価値のある特許はどれか?